「歯の動揺」とは、歯がグラグラと揺れることです。
健康な歯でも生理的動揺といって、歯を左右に揺らすと0.2mmほどは自然な動揺があるものですが、それ以上揺れがある場合は、歯に何らかの問題が起きています。
今回は、動揺する歯の原因や治療方法について解説します。
歯が動揺する原因
歯が動揺する原因について解説します。
歯周病
歯が動揺する原因の多くは、歯周病によるものです。
歯周病とは、歯を支えている骨が歯周病菌によって溶かされてしまう病気です。
歯を失う原因の一位は歯周病、二位は虫歯と言われています。
プラークと呼ばれる細菌の塊1mgには、100億個もの細菌がいると言われており、この細菌が歯を支えている顎の骨を溶かしてしまうのです。
顎の骨が溶かされてしまうことによって支えをなくして歯が動揺し、最終的には歯が抜けてしまいます。
歯周病の怖いところは、骨が溶けているにもかかわらず自覚症状がほとんどないこと、溶けてしまった骨は元に戻らないという2つが挙げられます。
歯ぎしりや外傷
歯ぎしりや食いしばりは、体重と同じくらいの力がかかると言われています。
また、スポーツなどの怪我で歯を強くぶつけてしまった場合など、衝撃や強い力は歯を支えている歯周組織にダメージを与えてしまい、歯の動揺が起こる場合があります。
破折
歯の根が割れてしまう歯根破折によっても歯の動揺が起こります。
歯根が破折は、主に神経がない歯に強い力がかかった場合に多く見られます。
根尖病巣
根尖病巣とは、歯の根の先に膿が溜まり炎症を起こしたものです。
歯が浮いたような感じや、放っておくと炎症によって顎の骨が溶かされてしまい、歯の動揺が起こります。
動揺する歯の治療方法
歯周病
残念ながら歯周病によって溶かされてしまった骨は、元の骨の状態に復活しません。
そのため重度の歯周病の場合は、これ以上骨を溶かさないようにする治療がメインとなります。
動揺した歯はある程度元に戻すことはできますが、完全に改善するのは難しい場合がほとんどです。
歯周病による歯の動揺を改善するには、まず歯石除去やプラークコントロールによって歯周組織の炎症を取り除く必要があります。
その後、咬み合わせの調整や歯の固定を行う場合もあります。
歯ぎしり
歯ぎしりをすることで歯の動揺以外にも歯のすり減りや、最悪の場合、歯が割れてしまうこともあります。
特に就寝時の歯ぎしりや食いしばりは改善することが難しいため、マウスピースの治療を検討します。
日中にも無意識に食いしばりをしないように意識しましょう。
外傷
軽度の外傷の場合は、隣の歯と固定する場合もあります。
部活やスポーツをしている方には、予防のためにスポーツ用のマウスピースの使用を検討します。
破折
歯冠破折(歯の上の部分)が割れてしまった場合は、被せ物の治療をします。
歯根破折(歯の根の部分)が割れてしまった場合は、抜歯になる場合がほとんどです。
根尖病巣
軽度な場合は、根管治療(歯の神経治療)によって治る場合があります。
根尖病巣による症状には個人差があり痛みがない場合もありますが、自然治癒することはありません。
歯が動揺する原因はさまざまですが、主に細菌によるものと力によるものの2つに大別されます。
歯の動揺は軽度のうちに対処することが大切ですが、軽度の動揺の場合は自覚症状がほとんどありません。
歯をぶつけてしまったけど痛みがないといった場合も、時間の経過とともに神経が死んでしまうなど何らかの問題が起きる可能性もあります。
歯ぎしりや食いしばりの習慣がある、しばらく歯周病の検査をしていないという方も、動揺している歯があるかもしれません。
早めに歯科医院を受診しましょう。