虫歯や歯周病が原因で歯を残せなくなってしまった場合は、残念ながら抜歯が必要です。
しかし、歯を抜いた後はどうなるのか不安をお持ちの方も多いと思います。
今回は、歯を抜いた後に行う治療方法について解説します。
歯を抜いた後はどうなる?
歯を抜いた直後は、歯肉に穴があいて出血があります。
その血が2〜3日で固まってかさぶたとなり、一週間ほどで傷口が治っていきます。
この抜歯をした直後に強いうがいをしてしまうと、かさぶたがつくられずに傷口が治らず、強い痛みを伴いますので注意が必要です。
穴が完全に塞がるのは2〜3ヶ月ほどで、骨がつくられるのは半年ほどかかります。
そして抜いた後の傷口がある程度治ってきたら、歯が抜けた部分を補う治療が必要です。
歯を抜いた後の治療方法
「歯が一本くらいなくなっても大丈夫じゃないの?」と思われる方も多いかもしれませんが、歯は食事以外をする以外にも、顔の筋肉の維持や会話をするための発音にも大きく関わっています。
また、歯がなくなった部分をそのままにしておくと隣の歯が傾き、かみ合わせの歯が伸びてきてしまい、歯並びのバランスも崩れます。
歯を抜いた後の治療方法は「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つです。
入れ歯
入れ歯は大きく分けて「部分入れ歯」と「総入れ歯」があります。
部分入れ歯は、残っている健康な歯を利用してワイヤーなどで入れ歯を固定する方法です。
一本でも歯が残っていれば「部分入れ歯」となります。
総入れ歯は、歯を全て失ってしまった場合に使用する入れ歯です。
入れ歯は取り外しができますが、違和感が大きく噛む力も健康な歯に比べて弱まることがデメリットです。
入れ歯の材質には保険適用の「レジン床義歯」のほか、自費診療では、金具がない「ノンクラスプデンチャー」金属を使用することで入れ歯を薄くできる「金属床義歯」などがあります。
ブリッジ
ブリッジは、歯がない部分の両隣の歯を削って、人工歯を橋(ブリッジ)のようにつなげる治療です。
入れ歯と比較すると違和感がなく、食事の際に噛みにくいといったこともありません。
固定式のため取り外しの必要もありませんが、汚れがたまりやすいためお手入れにはテクニックが必要です。
また、ブリッジ治療は両隣の歯が健康な場合でも大きく削る必要があります。
さらに、歯がない部分の噛む力を両隣の歯が負担することになりますので、健康な歯の寿命を縮めてしまうといったデメリットがあります。
インプラント
インプラントは、歯がない部分に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を被せる治療方法です。
骨の中に直接人工歯を埋め込むため噛む力が弱まることもなく、両隣の歯を削る必要もありません。
また、インプラントだとわからないほど見た目も自然で、周囲に気が付かれることはありません。
デメリットは保険適用外であること、顎の骨に人工歯を埋め込む外科手術が必要なこと、入れ歯やブリッジに比べると治療期間も長くかかることです。
全身疾患がある場合や、顎の骨の状態によってはインプラント手術ができない場合もあります。
まとめ
歯を抜いた後は、抜けた部分を補う治療が必要です。
治療方法は「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つです。
入れ歯とブリッジは保険適用ですが、材質によっては自費診療の選択も可能です。
インプラントは、保険適応の自費診療で外科手術が必要な治療です。
この3つの治療のメリットとデメリットを理解していただき、選択していただくことをおすすめします。
また、口腔内の状態によっても最適な治療方法は異なりますので、歯科医師とよくご相談ください。