前回説明した知覚過敏の原因をもう少し詳しく説明していき、それぞれに対する対処法も一緒に紹介していきます。
- 歯ブラシをする際の圧が強い
歯ブラシはナイロンでできているものが多く、柔らかいものですが、歯磨きは毎日行うものです。
柔らかいといっても、強い圧で毎回磨いてしまうと、少しずつですが歯の表面が削れてきてしまいます。
それによって歯の表面のエナメル質が削れて、象牙質が露出してきてしまい、知覚過敏になる場合があります。
とくに歯ブラシの硬さが硬いもので圧が強いのが一番知覚過敏になりやすいので硬さは普通のものを使うようにしましょう。
そして歯ブラシの圧は弱くてもプラークなどの汚れはしっかり落ちます。
汚れを落とすためには圧よりも歯ブラシを細かく動かすこと、歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先を当てるようにすることが大切になってきます。
圧が強い人で歯ブラシを握って磨いている人は鉛筆を持つように歯ブラシを持つと圧も加わりにくくなるのでやってみてください。
- 歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりをしている方で一番多いのは、夜、寝ている間に歯ぎしりをしている場合が多いですが、日中でもパソコンやゲームなどをしているときに無意識のうちに食いしばりをしている方も結構います。
歯ぎしりや食いしばりをしていると、歯に予期しない力が断続的に加わり、それによって歯の根元の部分がはじけ飛んでしまう場合があります。
それをくさび状欠損といいます。
それによってエナメル質がなくなってしまい知覚過敏が起こることがあります。
以前までは、知覚過敏というと歯磨きの際のブラッシング圧が強いことが一番の問題とされていましたが、今ではこちらの方が重要視されています。
歯ぎしりや食いしばりをしてしまう原因はストレスと言われていて、無意識のうちにやっているのでやめたくても止めることができません。
一番いいのは対処療法になりますが、歯を守るためのプレートを作って歯を保護することです。
歯科医院にて作ることができます。
- 酸の強い食べ物や飲み物
お口の中は普段は中性に保たれていて、食べ物を食べると酸性に傾きます。
酸性になると歯が溶けやすい環境となります。虫歯で歯が溶けてしまうのも、虫歯のでき方はありますが、そこの部分が酸性になっているためです。
そのため、直接酸性の食べ物や飲み物を飲んでいた場合も同じことが起こってしまいます。
たまにだと問題はないですが、毎日食べている、飲んでいると酸の影響により歯の表面が溶けてしまいます。このことを酸蝕症といいます。
これも知覚過敏の原因の一つです。
特に飲み物で、酸のものは意外とたくさんあります。
健康のためお酢を毎日飲んでいる、コーラや炭酸が好きで毎日飲んでいるという場合は常にお口の中が酸性の状態となっています。
知らず知らずのうちに酸蝕症になっている場合が少なくありません。
対処方法としては、それを飲むこと、食べることをやめるというのが一番いいですが、毎日やっていたことをやめるというのはなかなか難しく、ストレスにもなってしまいます。
まずは回数を少なくすることから始めてみましょう。
そして飲んだ後などは口をゆすぐなど、工夫をしてみてください。
コーラなどは砂糖も多く入っていて、虫歯にもなりやすくなってしまいます。
できれば常に飲むものは水やお茶にしてたまに飲むように心掛けましょう。
- 虫歯や歯周病
虫歯はしみたり痛みが出るというイメージが強いですが、原理は一緒で、虫歯で歯がどんどん溶けてしまうことによりエナメル質がなくなって象牙質が露出してしまったり、もっと進行してしまうと神経が露出してしまいます。
それはもちろんしみてしまいますね。
また、歯周病の場合は、進行すると歯を支えている骨がなくなってしまうことにより、歯茎が下がってきていまいます。
それにより歯の根っこが露出してしまいます。
歯の根っこの表面はエナメル質ではなく象牙質で、神経にも近い場所です。
それにより知覚過敏が起こりやすくなってしまいます。
虫歯や歯周病は早いうちに歯科医院で治すことが大切ですが、一番大切なのは虫歯や歯周病を作らない、進行させないことです。
定期的に歯科医院にて検診を行い、予防を中心にしていきましょう。
知覚過敏の原因と対処法を説明してきましたが、今しみていてどうにかしたいという場合、いくつか方法があります。
歯科医院にて行うもの
- 知覚過敏の薬を塗る
知覚過敏用の薬があるので、それを塗るという方法があります。
ただ、人によって効果は様々で、塗ってすぐにしみるのがなくなる人もいれば、何回も塗ってもしみるのが残ってしまう人がいます。
気になる場合は何度も通うことが必要です。
- プラスチックレジンでカバーする
削れてしまった部分などをプラスチックレジンでカバーして外からの刺激を受けにくくします。
ほとんどの場合、知覚過敏は軽減されますが、接着剤でついているだけなので材料が取れやすかったり、材料の部分にプラークなどの汚れがつきやすくなってしまうというデメリットもあります。
- レーザーを使う
レーザーによって象牙細管を塞いで、しみるのを止めるという方法があります。
これは医院によっても使っているレーザーが違ったり、やっていないところもあるので検討している場合は、問い合わせてみましょう。
自宅でできるもの
- シュミテクトを使う
知覚過敏用のシュミテクトという歯磨き粉があります。
即効性はあまりないですが、毎日続けて使うことによってしみるのが軽減されてくる場合があります。
知覚過敏は、なかなかしみるのを止められなかったり、治ったと思ってもしばらく経つとまたしみるようになるなど、少し厄介なものです。
知覚過敏になってしまう原因で、当てはまることがあった人は今からでも少し注意してみてください。