フッ素は使い方や使用量を間違えなければ特に問題はありませんが、過度な量を使用して、それを飲み込んでしまったりすると急性中毒が出てしまいます。
フッ素の急性中毒量は体重1kgに対して2mgです。
仮に体重15kgのお子さんがフッ素による急性中毒を起こしてしまう量は約30mgです。
これ以上の量を飲んでしまうと急性中毒の症状として、下痢や嘔吐、痙攣、呼吸困難が見られることがあります。
誤って飲み込んでしまう可能性が一番高いのはフッ化物洗口剤だと思いますが、フッ化物洗口剤は毎日行うもので約1.6mg、週一回行う濃度が濃いものでも6.3mgです。
しかし、濃度が濃い洗口剤でも約5回分の量を、しかも飲み込まなければ急性中毒は起こりません。
歯磨剤に配合しているフッ素の量も一般の人が扱えるものなので多くはないです。
そんな量を誤って飲み込んだりすることは、まずないと思います。
歯科医院で扱えるものは一般のものよりもフッ素の濃度は濃くなっていますが、使う量しか出さず、一人一人しっかり管理しているため歯科医院も急性中毒が出ることはまずないと思っていいでしょう。
どのような薬でも適正な量を取っていても副作用が出ることはありますし、過剰な量を取ってしまうと命に関わることもあります。
フッ素も同様で、量をたくさんとればいいというものではないので注意してください。
また、フッ素は必ずやらなければいけないというものでもありません。
最近はインターネットでもフッ素に関していろいろな情報が出ています。
もしこのような症状が怖い場合はやらなくてもいいのです。
もし心配がある人はこれらのことをしっかり考え、担当の先生と相談してみるといいでしょう。
これまで話してきたように、フッ素は歯質強化と再石灰化の作用により虫歯予防の効果があることは確かですが、フッ素を使っているからといって虫歯にならにわけではないのです。
歯磨きをしっかり行わなかったり、お菓子などの糖がたくさん入っているものをたくさん摂っていたりすると、いくらフッ素を使っていたとしても虫歯になってしまいます。
フッ素は塗ったからといって虫歯にはならないというような魔法の薬ではないのです。
フッ素を塗ったからといって油断せず、歯磨きはしっかり行いましょう。
そして甘いものを食べ過ぎたりはせず、噛みごたえのあるものなどを摂るようにして規則正しい食生活を送りましょう。
あくまでも基本的な予防概念を行い、それにプラスしてフッ素を塗布するということを忘れないでください。
正しい知識を持って、親子で虫歯がない健康な歯を目指しましょう!