【永久歯が生えてこない理由】

永久歯があるのに、埋まったまま生えてこない歯を「埋伏歯」といいます。

原因としては、

・あごが小さい

・歯が大きい

・永久歯が生えるスペースがない

・顎の骨と癒着している

・歯の位置がずれる

・むし歯や外傷などで早期に抜けてしまった

などが考えられます。

ただ、なぜ埋伏歯になってしまったか分からない場合もあります。

すぐに生えなくても、数年かけて生えてくることもあるので、ほかの歯の状態をみてすぐに処置をせずに経過観察をすることもあります。

対処法

歯ぐきの厚みがあってなかなか生えてこない場合には、レントゲンで一定期間経過観察をしますが、それでも歯に動きがない場合は歯ぐきを少し切開して生えやすい環境にします。

それでも歯に動きがない場合には、矯正の力を利用して歯を引っ張るケースもあります。

【生まれつき永久歯がない】

生まれつき永久歯がない「先天性欠如」の場合は、乳歯が抜けずにそのまま残っていることも少なくありません。

多くの乳歯は、永久歯ができ始めると、乳歯の根を溶かしてグラグラし始めて、自然と抜け落ちます。

もともと永久歯がない場合には、根が溶かされずに残ったままになるのです。

しかし、乳歯は根が短いことやむし歯になりやすいので、少しずつ根が吸収して多くの方は20～40歳くらいの間に抜け落ちます。

多くの方が、処置が必要になりますが、早い段階で発見できると、治療の選択肢が広がります。

早い段階で発見できた場合には経過観察と予防が大切です。

将来抜歯が必要になる場合でも、それまで乳歯を使う必要があるので、ケアをしながら長持ちさせましょう。

・人工歯(ブリッジ・インプラント・入れ歯)で補う

できる限り乳歯を使用して、抜け落ちてしまった場合には、人工歯で補います。

ブリッチ・インプラント・入れ歯のうちから治療を選択していただきますが、それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご相談して患者さまに合ったものをご提案いたします。

ただし、お子さんの顎は成長をしているので、インプラントは顎の骨にインプラント体を埋め込むため、顎の成長が落ち着いた18～20歳以上の方が対象になります。

入れ歯とブリッチに年齢制限はありません。

・矯正治療でスペースを補う

矯正治療でスペースを補う場合には、お子さんの適切なタイミングで抜歯をしてから矯正治療をスタートします。

矯正治療は、顎の骨が柔軟な18歳くらいまでにスタートすると歯が動きやすく、比較的短期間で治療を終えることができます。

矯正をすると、見た目もきれいになりますが、機能的にもメリットが多くあります。

かみ合わせがきちんと整い、しっかり噛めることで咀嚼機能がアップします。

また、歯並びがキレイになると、歯ブラシで汚れを落としやすくなりむし歯や歯周病のリスクを減らす効果も期待できます。

乳歯の生え変わりは個人差があるので、同年代のお子さんより遅くても心配がないケースが多いですが、中には早めに処置がした方がよい場合もあります。

レントゲン撮影をすれば永久歯の状態が確認できますので、乳歯や永久歯の生え変わりで気になることがある方はぜひ1度お気軽にご相談ください。